渡辺浩二設計室 のブログ

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3年前の夏のことです。


松江、堀川遊覧船に乗って終点が近くなったあたり、船から伝統美観地区の塩見縄手をぼんやり眺めていると、下見板、漆喰の壁と銀黒の瓦屋根が建ち並ぶ奥に、赤黒い鉄製の入母屋屋根があらわれました。


見るからに異質なのですが周囲から浮いている感じでもなく、というか馴染んでいるのに存在感があって、なんだか恐ろしく惹きつけられるというのか・・・いったいなんだこれはと船を下りて向かった先のその建物は、田部(たなべ)家23代、田部長右衛門氏が設立した「田部美術館」でした。帰宅後調べたら、竣工が1979年、設計は菊竹清訓さんでした。

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菊竹さんといえば、出雲大社庁の舎(1963)、東光園(1964)・・・・島根県立美術館(1998)など、山陰に多くの仕事を残されていますが、まさか塩見縄手に美術館を設計されていたとは、恥ずかしながらこのときまで知りませんでした。己の無知を棚にあげれば、主要道路沿いに建ちながらも、日常生活の速度、動線、視線を避けて巧妙に姿を隠している風でもありました。


通りから門をくぐり、館内への扉をあけると、展示品の茶道具もさることながら、(私のコメントなど、おこがましいのを承知で書けば)大胆でいて緻密で繊細な、その美術館自体に圧倒されたのですが、先日再訪した際、許可をいただいて館内(展示品以外)を写真に納めて帰りましたので以下、一部ですがお裾分けしますm(_ _)m

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赤黒屋根の正体は、コールテン鋼でした。